ちょっと風変わりな映画「コーヒーをめぐる冒険」(ネタばれあり)

2013年にドイツ・アカデミー賞を受賞したという割と最近なのに、なんとこの映画、終始モノクロなんです。
どういう映画なのかなと思ってみていると、主人公はベルリンの住んでいるニコという青年。

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朝から全くついていない。恋人の部屋でケンカし、車の免許は取り上げられ、コーヒーでも飲もうかと思ったら所持金が足りず(この映画の中では度々コーヒーが出てくるのですが、コーヒーすら飲めないというのが一つのテーマです)、ATMからお金を出そうとしたらカードは吸い込まれる、家に戻ったら上の住人に変な絡み方をされる。
こんなについていないんだからもうそろそろ主人公にツキがまわってきてもいいんじゃないか…と思っていたら、まだまだついていない。親友のマッツェと外に出かけたら昔の同級生のユリカと出会いますが、ユリカは昔、ニコが「デブリカ」といじめていた相手で、今は別人のように痩せて小さな劇団で舞台俳優をしているという。
それから父親にATMでカードが吸い込まれた件について父親に相談をしたら、「お前、学校はどうした?」と学校を2年前(!)に退学していたことが判明。

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最初、車の免許を取り上げらえたシーンでも2年前にすでに学校を退学していたことは言っていたのですが、「最近どうしている?」と聞かれるたびに「大学に行ってる」と言うので、「ニコはいったいどれが本当なの?」と見ているこちらも戸惑ってしまいます。
とにかく無心を父親にするものの、「お前は昔からあれをやりたい、これをやりたいと言っては長続きしない。通ってもいないのに2年間も学費を払っていたとは!お前も人並みに仕事しろ」と言われてしまいます。
こういうことはどこの国の親も言うんだなぁ…と思っていると、今度は無賃乗車をしていたと言われます。
全くついていないな…と思って、ユリカから誘われた劇をマッツェと見に行くと、悪がらみをされ…。
やれやれと思って「フリードリヒ」通りのバーに入ると隣に酔っ払いっぽい老人に絡まれます。
「一人でいたい」と断っているのに、「60年前はここにいた」と話し始める老人に耳を傾けてしまうニコ。
ニコは決して愛想のいい青年ではなく、むしろ不器用だし、だらしないところもあります。
でも不器用なりに人に寄り添おうとする姿がたびたびあったりして、だらしないばかりでもない。
ニコを見ていると「こういう人って私たちのそばにもいるようなぁ…」とか「こういうことってあるよなぁ…」と思わせてくれます。
ニコが話を聞いていた老人は話を終えたかと思うと、そのまま倒れて救急車で運ばれてしまいます。
結局、ニコも病院についていくのですが家族にも見守られることなく老人は息を引き取ります。
彼の名前を尋ねると、「フリードリヒ」だったという。
冷戦下では「フリードリヒ」通りを境に東西を分かれていたということは映画を見たあとに知りました。
この映画が終始モノクロなのも、ニコの一日とそこで出会う人々とのやりとりをめぐるニコの心を表現しているものの一つなのかな…と思いました。

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